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メニエール病体験談

投稿日:2017年1月24日 更新日:

結婚に向けて頑張らなくては

転職で入社した、医療機器の代理店。
付き合っている彼女とも結婚を真剣に考え、それまで何となく務めていた自動車関連の工場を退職し、満を持して営業職を選びました。
今回辞めた工場に務める前も、営業職に就いていましたが、日が変わるまで仕事をしていることに対して大きな疑問を抱き、残業時間の管理もしっかりしている大手の工場へと転職をしたのです。

しかしながら、2交代制で夜勤もあったため、正直この先の一生をかけてこの職場で働いていくことに対しての自信はなく、結婚を意識するというタイミングも重なって再度営業職への転職を決意しました。

はっきり言って大学を卒業してからの数年間、真面目な社会人生活を送ってきたという自信は一切なく、恐らく周りからは「適当」という言葉を私に当てはめていたのだろうと感じています。
何かを変えなければ今後も適当な人生を送ることになる。
そう強く感じていた頃でもあったため、自身にとっても良い転機になるだろうと考えていました。

慣れない業界、慣れない環境への転職は思った以上のストレスが

転職活動において何社か面談させて頂き、この先自分が続けて行けそうに感じた医療機器の会社を選び入社を果たしました。
医療関係のため覚えることが多くあり、何せ医者とやり取りをしなければならないということで専門的な知識が大きく求められます。
こういった類の仕事であれば、知識を吸収していくのに時間がかかり、長く勤めることが出来るだろうという思いで入社を決めました。
更には、入社する際に2年間外資系メーカーに出向してくれという指名を受け、会社からも期待されていることを感じ、より一層頑張っていかなくてはという思いにもなれました。

生まれ育った故郷を離れ、住んだこともない街に転勤となり、生活をスタートさせました。
最初は分からないことだらけで戸惑いもしましたが、外資系メーカーの教育体制は万全でした。
頻繁に勉強する機会が設けられ、2週間続けて本社で学ぶという時もありました。
周りも他業種からの転職組ばかりで過ごしやすい環境でしたし、それまで仕事において持つことがなかった楽しささえも感じるようになっていました。

全ての業務ではありませんが、最低でも半年間は先輩に同行をして学んでいく必要があり、仕事内容によってはそれ以上かかってしまうこともありました。
シビアな世界であり、患者様の命に直結してくる仕事ですので、そういった環境は仕方ありません。
そんなトータル的にはとても恵まれた環境で数か月が経ったころのことです。
その日も先輩と、ある病院への同行を予定していました。予定が午後からだったので、午前中はオフィスで勉強を行っていました。
常に勉強が必要とされる仕事で、若手の私に限った話ではなく、ベテランの社員でも余っている時間を見つけては勉強に充てています。

急に目の前が真っ白に…そして吐き気とめまい

パソコンに入っている資料を読み込んでいる時のことです、急に目の前が真っ白になったのです。
そして一気に気持ちが悪くなりました。吐き気・めまいが止まらないのです。

分かりやすく言えば乗り物酔いしている状態でしょうか。少し前に営業先へと向かった先輩に電話を掛け、その旨を伝えました。
先輩からは「今日は帰って病院で診察してもらいな」と許しを得ました。
この症状が何なのか分かりませんでしたが、ある程度の憶測は付きました。

無呼吸症候群?

その数日前に同居している彼女から、私が寝ている間に息をしていないと言われていたのです。
更に私は春先になると、花粉症がひどく、もともと鼻炎も慢性的な病気として抱えているため、それが理由で息が出来ていないことが多いとも言われていました。
確かに私は他の人よりも1年の間に鼻がつまっている日が多く、鼻で呼吸できないことが悩みでもありました。
でもまさか自分が無呼吸症候群になっているとは思いもしませんでしたし、それを聞かされてからは、極力無呼吸にならないような姿勢で寝るようにもしていました。
めまいや吐き気と言った症状が出た際に、それが原因だろうと考えた私は、元々その週末に通う予定でいた専門のクリニックを受診しました。

聴力検査をしたところ…
病院に着いて、まず行った検査が耳の聴力検査です。
健康診断とかで耳にヘッドホンを掛けて音が聞こえるかどうかを測定するものです。
今まであの検査が聞こえない人なんているのだろうかと疑問に思っていました。

正にそれが私でした。

目の前で看護師さんが捜査しているのにも関わらず、全くと言って良いほど聞こえません。
症状が出てから確かに若干耳が聞こえにくいなというのはありましたが、原因は本当に何なのか、、、

検査はそれだけで終わりました。後は先生の診察です。
先生の口からあっさりと出た病名はそれまでに聞いたこともないものでした。いや、私が無知なだけかもしれません。後から周りの人に聞いたら知っている人は多くいました。

「メニエール病」。

訳が分からない病名を聞いてポカーンとしている私に、先生は続けます。
「原因はストレスによるものだね」。

ストレス?私は知らない間にストレスを溜めこんでいたようです。でもそれを感じたことは転職してからはありませんでしたし、それを聞いて自分でも驚きました。
その日は本当にマズイ薬をもらって帰宅しました。

薬を飲めば治まるが、メニエールの脅威はここから始まる

一日寝るとその症状もすっかり治まっていて、次の日からは通常業務に戻れました。
急にめまいや吐き気を感じることはそれ以降なかったので、あまりメニエール病に関して気にすることはほとんどありませんでした。※メニエール病とめまいについて

しかしながら、その病気の恐怖はそれからでした。

一人でほとんどの業務を任されるようになってからでしょうか。
静岡県に勤務しており、私は営業という立ち位置ではありますが、特に担当を持っているわけでもなく、人が足りていないエリアをヘルプという形で周るというの日常業務でした。
西は浜松市から東は伊豆・熱海まで広範囲をカバーしなくてはいけません。
当然、月に運転する距離は4000㎞近くになるというのが珍しくはありませんでした。
病院に到着してからも、特殊な業務を行うため、座ることはほとんどありません。
忙しい日ですと、早朝に家を出て、お昼御飯を食べることが出来るのは夕方というのも珍しくはありませんでした。
人によっては、毎日お昼抜きという人もいるくらいです。

メニエールの原因は過労とストレス

そんな日々を送っていると、段々と業務中にめまいが襲ってくることがありました。
ほとんど毎日のようになるので、おかしいなと感じつつも慣れというのは本当に怖いもので、それが当たり前と体が認識してきます。
時に、土日で体を休めている時に症状がひどくなることがあるのですが、一日寝てしまえば和らぐため、あまり自分の中で大きく捉えないようにしていました。

そんな日が何か月か経過しました。
もちろん毎日そんな症状が続くなら、私も少しは考えたでしょう。
しかしながらいきなり症状が悪化したわけではなく、徐々にという感じでしたので、私はそれに対する対策を取っていませんでした。というよりも対策することに対して恐れていたのかもしれません。

インターネットで「メニエール病」と検索すると、そこには難病指定と書かれていました。
まさか自分がそんな『難病』にかかってしまうなんて思ってもいませんでしたし、望んでもいない病気がいきなり襲ってくることはこのことか!とも思いました。

しかし、悲劇のヒロインだと悲観していたわけではありません。
手術を行って治るわけではないし、治療方法は薬と安静くらいなのです。
薬を飲み続けたところで、月に数千キロも走る仕事をしている限りは恐らくこの症状は良くならないだろうということは自分でも理解していました。
しかしながらこの時は、彼女との結婚も決め、職を失うなんてことはまずあり得ない事です。
なんとか騙し騙しで日々を送っていました。

メニエール発症1年経過

メニエール病の症状が顕著に現れてから1年近くが経とうとしている頃でしょうか。
日曜日は仕事も休みなので、私は自宅のソファーでくつろいでいました。
何の変哲もない、とても平和な日曜日。

急にめまいと吐き気に襲われました。
この頃の私は冷静でした。こんな症状はここ1年の間に何度も繰り返されてきたわけですから。

ベッドで横になり、明日になれば症状は治まっているだろうと高を括っていました。
月曜日は静岡県でも端っこに位置する湖西市まで移動しなくてはいけません。
私の自宅から100㎞以上は離れていました。
予定は午後からなので午前中にゆっくりと移動すれば、身体に負担は掛からないはずだ、そう考え、その日は早めに床に就きました。

メニエールは安静に正比例する

翌朝、目が覚めると予想は的中です。
症状は何事もなかったかのように治まっていて、昨晩考えていた通り午前中に余裕をもって出発することにしました。
出向先のメーカーが外資系だからでしょうか。直行直帰が可能で、予め組まれたスケジュールを順守していれば残りは自分の好きなように動いても良いという風潮がありました。
司からも「わざわざオフィスに戻るようなことはしなくても良い」とも言われていました。

症状が改善したからといって侮るべからず

小休憩を挟みながら車で2時間以上かかる目的地へと到着しました。
体調はこの時点で若干耳鳴りがする程度です。
この程度は長距離移動の際や、長時間立ちっ放しの状態が続くと出る症状だったので、あまり気にはしていませんでした。

それよりもせっかく湖西市に来たのだから昼食にウナギを食べて、精力をつけようと思いました。
目星をつけておいたお店を探し、そこでうな重を注文し、うな重が目の前に出てきた、、、そのあたりで、座っているのも辛いくらいに気分が悪くなっていました。
目の前にうな重があるのに全く嬉しくありません。無理やりでもうな重を頬張り、味に気をかける余裕もなく店を後にし、営業先の病院へと向かいました。

2時間くらいで用を済まし駐車場に停めてある自分の車に戻りました。
気を張っているからでしょうか、不思議と運転中と仕事をしている最中は症状が気になりませんでした。
しかし、車に戻ると再び激しい吐き気とめまい、耳鳴りに襲われました。
このままでは倒れてしまう、そう感じた私は、以前診察してもらった専門クリニックを予約し、湖西市からまた2時間以上をかけて戻りました。

過労とストレスが故の発熱も併発

今考えても危険な行為をしました。
ただ座っている状態でも吐き気などの症状が出て、辛いというのに、2時間以上を掛けて運転するというのですから。
案の定、体調は自分が思っている以上に悪化していました。
運転している最中、あることに気が付きました。
左手を中心に左半身が麻痺しているのです。
痺れが止まりませんでした。
いつもより慎重に車を走らせ、ここで事故を起こしたら元も子もありません。

やっとの思いで予約をしていたクリニックに到着しました。
まず受付で症状を伝えるとまずは熱を測ってくださいとのことでした。
私は心の中で「熱なんてあるはずがない」そう思いながら測りました。
結果は39.3度。私は驚きを隠せませんでした。
少なくとも私はこんな高熱があることを感じませんでした。
めまいや耳鳴り、吐き気と言ったメニエール病の症状は高熱に勝っていたのです。

ひどくなる難聴。。。何も聞こえない

そして次は検査です。以前も行ったことのある耳の聴力検査。
もちろん何も聞こえません。
この時初めての体験をしました。普通はヘッドホンを耳にあてて、重低様々な音を聞き分けていきます。
耳にあててもほとんど何も聞こえなかった私は耳の下にヘッドホンをあてられました。
恐らく振動を感じることが出来るのかという検査のように思います。

全ての検査が終了し、先生の診察です。
まず言われた先生からの一言

「大分悪化しているね」

そして今日一日休んでいたのかという問いに対して、湖西市まで車で営業をしに行っていたとの旨を伝えると、先生は驚きを隠せない様子で、

「とにかく一日でも長く休んでください、そうしないと治らない」

熱が39度以上あるのだから、どんなブラック企業の人間であろうと、この数字を聞いたら何も言えません。
また、専門医からこのような忠告を受けて、当然明日は休むことを決めていました。
それから私は、またマズイ薬を処方してもらい、上司に病欠の旨を伝えました。

環境を変える決心

自宅にやっとの思いで着くと、真っすぐ歩こうとすると倒れそうになります。
めまいが悪化して、平衡感覚も失われつつありました。
結局この日から私は4日連続で会社を休むことになります。
それから約半年後、症状は出続け、このままではいつ倒れてもおかしくないと悟った私は、会社を退職する決意をします。
周りからは、もっと早くに病院へ行くべきだったと言われますが、そんなことは後の祭りです。
最近では長距離の運転をなるべく避けるようにし、症状も大分治まりつつあります。

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