中耳炎は子供の病気
今では、花粉症の季節がやってくると必ずお世話になる耳鼻科。
去年は急に耳に水が入ったような違和感を感じ、1週間に3回も通っていたというのに、それより以前は耳鼻科の情報や知識はまるでありませんでした。
子供は小さい時耳の病気にかかりやすいということ、耳の病気はちょっとしたことが原因でかかってしまうということはもっと後から知ることになるのです。
自分自身が子供の頃を振り返ると、プールの時耳の病気で見学している同級生がパラパラいて、「なんでプール休んでいるの?」と聞くと、決まって「中耳炎やねん。」という答えが返ってきていました。
「中耳炎かあ。大変やな。」と中耳炎自体どんな病気かなんてよく知りもせず、同情の言葉をかけたことを思い出します。
自分自身が発熱や怪我などで内科や整形外科や眼科に通うことはよくありましたが、当時から「中耳炎」は子供の病気、となんとなく思ってはいたのですが、耳の病気だけはならなかったため、耳鼻科とはあまり縁がありませんでした。
後々、耳鼻科がこんなにも子供であふれかえっていることにびっくりし、「中耳炎」で長くプールを休んでいた顔は忘れた同級生のことを不意に思い出したのを覚えています。
私と長男、初めての耳鼻科通院
初めて長男が耳鼻科に行ったのは、保育園の時でした。
そこから、耳鼻科通いが始まることになるのです。
お昼寝のとき、耳ダレが出たらしく、「耳がグチュグチュする!」と先生に訴えたとのことで、保育園の指定する耳鼻科へ行くようにお迎えのときに言われました。
「『耳が痛い!』とお昼寝もしなかったから早めに受診した方が良いですね。」
「えっ?昨日はそんなこと言ってなかったのに。」
そんなやりとりの後、その日の夕方早速耳鼻科に連れて行くことにしました。
親子共々初の耳鼻科でした。
指定の耳鼻科は大きなニュータウンの中にあったにもかかわらず、そんなに混雑していなかったのが幸いでした。
耳鼻科行きを告げられたことをママ友に話すと、「覚悟しといた方が良いよ!すごく混雑してるから!」と脅されていたため覚悟をしていたのに、その耳鼻科があまりにも空いていたので、肩透かしを食らった感じがしました。
耳鼻科では、耳の中、鼻、喉を診て問診をしてさっさとカルテに何やら書き込み
「中耳炎になりかけているからお薬を入れておきましょう。」との診断でした。
「えっ?もう終わり?」あまりにも簡単な診察だったのでここでも肩透かし感です。
点耳薬
耳に薬を入れて、おしまい。
「お耳の中になんか入ってる。気持ち悪い。」毎日長男が訴えましたが、触ったらダメ、と言うしかありませんでした。
3日に1回耳鼻科に行っては、薬を入れるのが10日ほど続き、治療は終わりました。
それからしばらくして、長男が時々耳を触るので「お耳大丈夫なん?」と何度も聞くと、「大丈夫!」と言ったり、「カサカサする!」と言ったり様々でした。
お風呂の後綿棒で掃除をするとグチュグチュと濡れた感じがするので、もう一度耳鼻科に連れて行くと、「大丈夫でしょう。特に問題はありません。」とのことだったのでそのままに様子を見ることにしました。
耳垂れから3年後
それから3年ほど経ち、耳のことはすっかり忘れていました。
ある日、夜ご飯を食べ終わりコタツでゴロゴロしていた長男が急に、
「耳が気持ち悪い。中でガサガサ音がしてる。」と言い出したのです。
久しぶりに耳のことを訴えてきたのです。
見ると何もなっていません。
でも、指を入れて気持ち悪がる長男。
「気持ち悪い。ガサガサいってる!見て!」とイライラし始めるので、下の子に言って懐中電灯を持ってこさせました。
その間も、半泣きになって私の膝の上で耳を叩き出すしまつ。
「痛い!ガサガサする!」
「ダメ!叩いたら。待ちなさい。見てあげるから!」
下の子が懐中電灯を照らしてくれました。
「お兄ちゃんじっとして!」下の子に言われ、涙をためながら歯をくいしばる長男。
耳の中を照らすと何か細いものがチラリと見えたような気がしました。
長男の頭をさらに蛍光灯の下に持っていき傾けて見ると確かに何かが入っている。
耳に糸?!
「痛い!」そう言って指を突っ込んだ長男。
すると糸のようなものが見えたのです。
「糸?!何??」そう思って思いきって長男の耳を吸ってみました。
「痛い!痛い!」叫ぶ長男。
「じっとして!虫が入ってるかもしれんよ!」
そう叫ぶと、下の子が泣きだし、長男も泣きだしリビングは騒然としました。
本当はそんなことするより翌朝耳鼻科に連れて行けばよかったのかもしれませんが、咄嗟にそんな荒療治をしてしまったのです。
そして、もう一度懐中電灯を照らすと確かに糸がチョロっと見えました。
「ピンセットをとってくるから待ってて。」
そう言ってダッシュで薬箱からピンセットを出して、消毒して再度長男の頭を膝の上に乗せました。
「何?!お母さん!痛いやん!?」長男は泣きながら訴えましたが、「じっとして、ホンマにじっとしな耳になんかいるんやから!」
そう叫ぶと、長男も下の子もビクっとしてから歯をくいしばりました。
下の子に「しっかり懐中電灯を照らしてな。お兄ちゃんのお耳になんかいるかもしれんしな。」
「わかった!私が照らしたげるし、お母さん頑張って。」
さっきまで泣いていた下の子は頼りになる助っ人となってくれ、私の手元がわかりやすいようにしっかり耳の中を照らしてくれました。
わずかに見える糸のようなものは、何度もピンセットに引っかかるも長男が動くたびに、すり抜けましたが、やっとピンセットで挟むことができたのです。
「いくよ?引っ張るよ?」
そう言って引っ張りはじめたとたん長男の悲鳴。
「うわー!ガサガサいってる。痛い!痛い!」
思わず離しそうになったら、「離したらあかん!痛いし!」
とわけがわからないことを叫ぶ。
そんなことをしてるうちにピンセットの先に重みを感じたのです。
何?糸じゃないの?!
糸が切れてしまわないようにもう片方の指を糸に添えてそろそろと引き上げました。
メリメリっと小さな音。
「痛い!痛い!」長男の叫ぶ声が重なったとき、耳から何かがスルッと出てきたのです。
何?!これ?
ピンセットの先には赤茶色や色んな色に染まった布の塊のようなものが出てきたのでした。
「何?!それ?」起き上がった長男も下の子もピンセットの先の塊を見て言いました。
広げるとわずかに残る白っぽい部分が見え、「あっ!耳の中に入れてたガーゼやん!?」と大声で叫んだのです。
そう、初めて行った耳鼻科で薬を入れてたガーゼがそのままになっていたのです。
「これがガサガサの原因やったんや。」
あのとき長男が耳の違和感を訴えていたのはこのせいだったんだ。
耳の中にガーゼが入ってるなんて……。
愕然としました。
でも、私自身が気づいてやれなかったこともショックでした。
「ごめんな。痛かったな。」長男の頭を抱きしめて耳を何度も撫でました。
翌日、耳鼻科に連れて行きました。
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは
その頃、すでに引越しをしていたため、以前の耳鼻科ではなく、別の耳鼻科に連れて行きました。
後から聞いた話では、初めて行った耳鼻科はその頃もう辞めていて、その後に小児科が入っているとのことでした。
新たに行った耳鼻科は、驚くほど混み合っていて、2時間待ちなんて当たり前の状態でした。
子供が多く、広い待合室では宿題をする子もいたほどで、たいていは先にお母さんが診察券を出し、順番をとっていたのです。
長い長い時間待って、診察室に入ると年配の先生が症状をこと細かに聞いてきてくださいました。
そして、鼻からカメラを入れたり、空気を通す検査、聴力検査など長い診察をされた後、別の待合室で待たされ、もう一度診察室に呼ばれました。
「息子さんは滲出性中耳炎になっています。」
あまり聞き慣れない病名を告げられキョトンとしてしまった私に、先生は丁寧に図を描きながら説明してくれたのです。
中耳腔に液体がたまっている状態が滲出性中耳炎で、風邪がひきやすかったり、アレルギー性鼻炎、扁桃炎がある人がかかりやすいとのことで、長男はどれも当てはまっていました。
ガーゼが入っていたことを告げたとき「えっ!?」と言ったきり目を閉じて首を横に振ってカルテに何やら書きこんでおられました。
そして、『それは直接的な関係はないが、もうかなり早い段階で滲出性中耳炎になっていた』と言われました。
「耳ダレが出てた時点で連れてきてくれたら良かったね。」と言われました。
滲出性中耳炎は、普通の中耳炎とは違い、激しい痛みや熱が出たりすることがないため、分かりづらい耳の病気なのてす。
イライラしたり、テレビの音量を上げたり、大きな声で話したりするのが特徴で、そういえば長男は大きな声で話したり、テレビの音量を大きくすることがあったことを思い出しました。
ただ、重症ではないため治療をすれば改善するとのことで、とてもホッとしたのです。
1年間の耳鼻科通院
長男はそれから実に1年近くも耳鼻科に通うことになりました。
滲出性中耳炎は治ったようですが、アレルギー性鼻炎が出たり、風邪が長引くと耳の違和感があるようでやっぱり耳鼻科通いは続くことになりました。
大きくなってからも、風邪の後、飛行機に乗った後は耳が痛くなったり、なんとなく耳の調子が悪く耳鼻科を受診したりしています。
まさか、こんなにも長く耳のことで悩まされることになるとはあのときは思いもしませんでした。
子供の耳の病気は、早い段階で気がつかないと後々ややこしいことになってしまうのです。
そして、耳鼻科選びも大切だということを実感しました。
耳鼻科に行くのは、覚悟がいると言ったママ友はちゃんと耳鼻科の情報を調べて、何処の耳鼻科が良いのかわかっていたのでしょう。
混み合っている耳鼻科はそれなりの理由があるということですね。
気づいてあげること、そしていい耳鼻科を選ぶこと
滲出性中耳炎とガーゼを入れたまんまだったことは直接の原因ではありませんが、耳の中にガーゼが入っているなんて怖いことです。
あのときは、「なんて耳鼻科なんだ!?」と憤りを感じたものですが、でも、ガーゼの件がなければ新たな耳鼻科には行ってなかったでしょう。
そして、滲出性中耳炎も見つかっていなかったかもしれません。
そのまま放っておいて、悪化し最悪耳にチューブを入れる手術をしていたかもしれません。
症状が出にくい耳の病気もあるのですから。
でも、おかしいと思ったら別の耳鼻科に行くことをしていたらと思うと、自分自身の耳の病気に対する意識の低さが悔やまれて仕方ありません。