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耳を押さえていたがる女性

鼓膜破裂の体験談

投稿日:2017年1月24日 更新日:

以前私が体験した「鼓膜破裂」そして「鼓膜形成術」を受けるまでの体験談をお話ししたいと思います。
この話が鼓膜を破ってしまった方の何かの参考になり、また予防のためにも役立ちましたら幸いです。
では順を追ってお話ししていきたいと思います。

幼少の頃の中耳炎

思い返してみると私は子どもの頃から耳が弱かったようです。子どもは耳の管が未発達なので中耳炎になりやすいと言いますが、私は本当に何度も中耳炎を繰り返していました。
それがなんとも言えない痛さで、耳の奥の方が重い感じで、痛くて痛くて耐えきれずにいつも泣いていました。
中耳炎になると母に連れられて近所の耳鼻科に行っていました。今から考えると随分古い治療法だったのではないかと思います。

先生はおじいさん先生で、耳に黄色い消毒液を染ませたガーゼを突っ込んで、丸い綿をアルコールランプで消毒して蓋をしていたように記憶しています。
それをまた取ってもらいに行くときに、黄色いガーゼと耳垂れとが混ざり合ったものが乾いてしまうので、バリバリッと力任せにはがされるので、それがまた痛かったです。
また、これも遠い記憶なので正確ではないかもしれませんが、鼻が悪い子どもたちは、今では見かけない鼻洗いのようなことをさせられていました。幸い私は鼻洗いは免れていました。

大人になってからは外耳道炎

そのように耳はしょっちゅう悪かったのですが、大人になってからは外耳道炎を繰り返すようになりました。
私は耳かきが好きで、特に綿棒を使って痒いところを掻くのが習慣のようになっていました。当時はそれが耳に悪いこととは全く知らず、耳掃除は毎日するのが当たり前と思っていたのです。
今になってみては、耳鼻科の先生から「耳掃除はしなくていい。」「耳垢は自然に出てきます。」と教えられて分かったことです。
綿棒を使うにしても月に1回くらい、ほんの1cm位のところをそっとぬぐうだけでよいと知ったのは最近のことです。

しかし、当時はそんなこととは知りませんから、毎日毎日耳をいじっていました。これがなんともゾゾ~っとするくらい快感なのです。
そのうちに、汚い話ですが、綿棒に何か液体が付くようになりました。それがだんだん黄色い液体に変わってきて膿のような匂いがしてきます。この辺でやっと良くないことをしていると気づきます。
こうなるともう手遅れです。耳が痛くて痛くてたまらくなってきます。すっかり外耳道炎の出来上がりです。

またもや耳鼻科に何度も通うようになります。先生から綿棒は使わないよう叱られます。
外耳道炎になると塗り薬が処方されます。これはステロイドが入っている軟膏で患部に塗るとスッと痒みが引くので大変ありがたかったです。
けれども、ここでまた私の悪癖が出てきます。「薬を塗るんだから。」という絶好の口実ができたのです。
薬を綿棒につけると、痒いところに持っていて軟膏を塗ります。塗りながらまたそこをついでに掻いてしまうのです。初めは優しくそっとやっているつもりなのですが、だんだん激しく引っ掻いてしまいます。
するとまた膿が出てきてしまっては、また薬を塗り、塗りつつもっと激しく掻きむしってしまうという本当に悪循環でした。

とある耳鼻科へ行った時のこと

何度も外耳道炎を繰り返し、軟膏があるかぎり良くなったり悪くなったりを繰り返してきました。そして軟膏がなくなると慌てて耳鼻科へ行くという感じでした。
ある日のこと、とある耳鼻科に行くと「あなたは子どもの頃に中耳炎を繰り返しましたか?」と聞かれました。
「あなたの鼓膜はもうずいぶんと薄くなっています。だから鼻を強く噛んだりしないで。」と言われました。
確かに何度も中耳炎を繰り返してきましたが、そのことで鼓膜が薄くなっているとは知りませんでしたから大変驚きました。
そして、そのときの外耳炎は耳の奥まで行っていたので、先生が薬を塗ってくれたときに大分奥を触ったのを覚えていました。

いつものように同じ軟膏が出ましたが、毎日薬を塗って過ごしました。
ある晩のこと、あの先生が奥の方を塗ったのを記憶していて「もっと奥まで塗ってみよう。」と思い立ってしまったのです。
確かに今痒いのは耳の奥なのです。でもまさかそこがもう鼓膜のぎりぎりの場所とは知らず、鼓膜はもっと先にあると思っていたのです。
自分の鼓膜がどの辺にあるかなんて感覚的に分からなかったからです。
それがバカでした。

「あれ?耳が聞こえない。」

自分で自分の鼓膜を破いてしまったことにも気づかずに、ただ「薬が多すぎて、鼓膜にもついちゃったのかな?」ぐらいに思っていました。
片耳が聞こえないとかなり聞こえが悪くなるものです。そのときは年末でおもしろい番組が色々ありましたが、テレビで何を話して何を笑っているのか全然聞こえなくなりました。
病院ももうお休みになってしまいました。でもまだ破けているとは気付かなかったのでのんびりと「年が明けたら耳鼻科に行こう。」くらいに考えていました。

鼓膜に穴が!

ようやく年が明けて先日の耳鼻科に行きました。すると先生が青い顔で言いました。

「鼓膜に穴が開いています!」

ファイバースコープで撮った写真を私に見せてくれました。透明な鼓膜に小さな丸い穴がポツッと開いてしまっていました。
私は聞こえなくなった経緯を話しましたが、先生は慌てていて「もしかしたら真珠腫の可能性もある。」と言いました。
それは何やら鼓膜を溶かしていく病気というのです。
別の検査をするから廊下で待っていてくれと言われましたが、私はもう穴が開いている写真にショックでショックで、また「真珠腫」という怖い病名にもショックでした。「もう耳が聞こえなくなるかもしれない。」と心配でたまりませんでした。
そのうち頭から血の気が引いていき、あぁ倒れる、と思いましたが誰かに助けを求める勇気が出ませんでした。じっと耐えているとやっと名前が呼ばれ、先生が「脳貧血だ。」と気付いてくれました。
情けないことですが、ベッドに寝かせてもらい、足を上げると頭に血が戻って来るからとしばらく横にならせてもらいました。

結局そこは小さな町の耳鼻科なので検査しても詳しいことは分からないようでした。
「とにかく鼓膜を濡らさないように。鼻を強くかまないように。そうすれば自然にふさがることもあるから。」と言われてその日は帰りました。

さらに墓穴を掘る

家に帰って家族に話すと少し気持ちが休まりました。自然に塞がることもあるのだからあまり深刻にならないようにしようと思いました。
ただ「真珠腫」という病名が頭から離れませんでした。
気を取り直してお風呂に入りました。とにかく「鼓膜が濡れてしまうと自然には塞がらなくなる」という注意点が頭をぐるぐるし、慎重に耳栓をしようと思い立ちました。
ティッシュペーパーをぐるぐるに丸めて耳に差しました。すると何か「痛ッ!」となって、いやな予感が走ります。

結果から言うと、その耳栓でさらに破れを大きくしてしまったのです。私はなんてバカなんでしょう。鼓膜がこんなに簡単に破けるなんて。それに鼓膜って思ったよりこんなに手前にあるなんて。

次回の耳鼻科で確認するとまさに穴が広がっていました。
先生は「もっと大きな病院に行って手術をするか、あるいはこのままでも支障がなければ穴が開いたまま生活するか。」と言いました。
この後半の言葉は今から思うとひどい言葉だと思います。穴が開いたままでいいことはないからです。
もちろん鼓膜を破ったのはすべて自分が悪いのですが。

私はもうここへは通わず、自分で行きたい病院を探そうと思いました。
当時やっとインターネットを使えるようになっていたので、色々と検索しました。
そして某大学病院へ行くことに決めました。決め手はそこの耳鼻咽喉科HPが病気や手術法の説明がとても分かりやすく好感が持てたからです。

大学病院耳鼻咽喉科初診

そしてさっそく紹介状も持たずに大学病院へ駆け込みました。今は分かりませんが当時は紹介状なしでも診てもらえたのです。
お金もかかるし時間もかなり待ちましたがそれでもかまいませんでした。
初診の先生は女の先生でした。今までの経緯を聞き色々な検査をしました。「真珠腫かもしれないとも言われた。」というと「どこの先生?」と聞かれました。
それで念のため真珠腫の検査もしてくれました。

その日処方された薬は今までとは違う点耳薬というもので、また次回は耳の手術担当の先生に予約を取ってもらいました。
余談ですが、この点耳薬が素晴らしく良く効きました。今までの悪循環の外耳道炎はなんだったろうと思うくらいでした。

大学病院再診

そして予約日に再び受診すると今度は手術をされる先生が私の担当となりました。
この先生は一見冷たい感じの先生で、キビキビと話す姿に初めはすごく怖く感じました。でもそのハッキリ物を言う感じが気持ちいいなとも思いました。
診断は「慢性中耳炎」でした。
鼓膜が破れているのに中耳炎?と疑問の顔をしていると「鼓膜が破れていることも中耳炎というんです。」と言いました。

私は前の病院で「真珠腫」かもしれないと言われたというと、先生は怒ったように「違います!全然違います!」と大きな声で言いました。
私は怒っているので怖かったですが「悪い病気じゃなかった。」という安堵する気持ちもありました。

まずは手術するもしないもこんなに汚い耳じゃ手術しようもないとも言われました。
まずは耳垂れを止めること。で続けて薬が処方されました。

続けて通院

それから何度か受診し、薬のおかげで耳垂れは止まり耳はすっかりキレイになりました。
先生は「手術しますか?」と聞いてきました。私はまた前の病院で「穴が開いたままでもいい。」と言われたことを告げました。また先生は怒りそうでした。
そしてどうして穴が開いたままではいけないのか説明してくれました。
中耳炎や耳垂れは黴菌が入ってなってしまう。それが鼓膜に穴が開いていると、外からも中からも両方から黴菌が入り込みやすくなって年中中耳炎になってしまうと言われました。
だからちゃんとふさいでやらないといけないのだそうです。

しかし、私は今まで手術というものをしたことがなく、耳に穴が開いた写真を見てもひっくり返ったくらいですから、手術なんて怖くて怖くてしかたがありませんでした。
それに先生はこんなに大きな破れでもまだ自然に塞がる可能性はある、とおっしゃいました。
ならば、まずはその可能性のある期間は様子を見させてもらって、それから手術は考えたいと答えました。
先生は小心者の患者の気持ちを汲んでくださって、そのようにしてくださいました。

自然には塞がらなかった

その期間を過ぎ、また久しぶりに病院に行きました。カメラで耳の中を毎回見せてもらいますが、穴の大きさは変わっていません。
私もこれはもう自然治癒はないことを悟りました。
すると先生は、「一時的なものだけれども、穴に薄いシールを貼って、貼ったらどれくらい聞こえるか試してみますか?」と聞いてきました。
どうも耳とは常に咀嚼(そしゃく)とか飲み込みなどで動いているらしく、鼓膜のシールもだんだん外耳道に移動してしまって永遠には貼っていられないものなんだそうです。
痛くはないとのことだったので、お願いすることにしました。
それはまさにシールで、その場で簡単に穴のところを塞ぐように張り付けてくださいました。

「聞こえます!!!」

それは本当に驚きの体験でした。すでにもう数か月片耳が聞こえませんでしたから、だんだんその生活にも慣れて来ていたのです。
それはまさにシールを貼ったとたんに耳がパカーっと大きく開いた気がしました。
いつも大きな声で話してくださる先生の声がさらに大きくはっきりと耳に入ってきました。

「聞こえるでしょう?」先生も嬉しそうでした。
きっとなかなか手術に踏み出す勇気のない患者のために、気持ちを動かすためにやってくださったのだと思います。

それから家に帰って10日くらいだったでしょうか?夢のような聞こえる生活を満喫しました。
それまでは1対1なら話も何とか分かりましたが、大勢の中にいるとき、みんなが何の話をしているのか、何を笑っているのか聞こえなくて孤独を感じていました。
それが昔のように元通り良く聞こえるのです。聞こえるってこんなだったんだと思い出させてくれました。

手術をしたい!

ようやく気持ちが固まって、先生に手術をしていただこうと決心しました。
手術にあたって色々と心配なことを質問しました。全身麻酔ということだったのでそれも心配でした。先生は嫌がらずに丁寧に答えてくれました。
「死んでしまう可能性は?」とまで聞きました。「0ではないよ。普通にそこいらで生活していたって、急に交通事故に遭うこともあるんだし、生きている以上死ぬ確率は0ではないよ。」と。
それに妙に納得してしまいました。
そしてあれよあれよと、手術日が決まり、色々な書類にサインさせられました。

鼓膜再生の入院手術

「鼓膜形成術」のため入院するのは2泊3日でした。
入院すると看護師さんが丁寧に病棟の説明をしてくれました。緊張をほぐすように冗談も言ってくれたりしました。ありがたかったです。
やがて麻酔科の先生が問診に来ました。今まで全身麻酔をして具合が悪くなったかどうか、アレルギーはあるかなどなど。
また私の心配性な性格を見抜いて手術の前に気持ちが安定する注射を打つかどうか聞いてきました。私は迷いましたが「お勧めします!」とのことでお願いしました。
そして実際それはお願いして良かったです。なんとも安らかな平安な気持ちで手術室に向かえました。

手術室に入ると色々な準備をし、麻酔をかけます、と言われる深呼吸であっという間に眠りました。
起きるともう手術は終わっていました。それは1時間半の手術でした。

朦朧としながらも先生の声が聞こえました。「○○さん、手術無事終わりましたからね。もう聞こえるはずですよ。」と。
正直まだ聞こえるという感じはありませんでしたが、無事終わってホッとしました。

その手術は、私の耳の後ろを切って、皮下組織を取り出し、それを鼓膜に糊でくっつけるという手術でした。
退院してしばらくすると、だんだんと耳の聞こえが良くなってきました。今まで片方だったのが、ステレオで聞こえて来るようになりました。
すると、

うちの犬の吠える声がなんとうるさいことでしょう!

ずっと聞こえなかった小鳥たちの声がなんとかわいいことでしょう!

傘にあたる雨音がなんと素敵なんでしょう!

お鍋の吹きこぼしが減りました。(^^)

これが私の「鼓膜破裂」そして「鼓膜形成術」までの経緯です。
私は自分でバカなことをして破いてしまいましたが、これからは耳をもっと大事にしていきたいです。
皆さんもどうぞ耳かきのし過ぎには気をつけてくださいね

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